番外編 ロボット教室全国大会へ 明良の挑戦

小学3年の息子が「ロボット教室」に通っているのですが、毎年夏に東京で行われる全国大会に出場したいと、必死でオリジナルロボットを作り上げていたときの様子です↑

 

息子が作ろうとしていたのは“シーソー転車台”というロボットで、車が転車台に入ると、転車台が回って、自由に方向転換して車が出て行くというもの。

規定で使えるモーターは一つなので、いろんな工夫をしないと一連の動きを実現できないのです。

6月から7月にかけ、毎朝4時過ぎに起きて、1人で黙々と試行錯誤しながら作っていました。

私が7時前に起きてくると、目を輝かせて

「こんな動きができるようになったよ!!」

「今日はちょっと改良してみた。」

「このギアがうまく動かへんねん、、また(小学校から)帰ってから続きやる!」

と、失敗や改良の進捗を報告してくれました。

夜も10時頃まで作業しているので、小学校で(休憩時間に)居眠りをしてしまうと・・。

そんな必死な息子に夫もアドバイスをするのですが、

「俺が助言したら“なるほど!”って言ってその仕組みを試そうとするんや。でもな、朝起きたらぜんぜん違うやり方で実現できてんねん。びっくりするわ。」

 

 

迎えた〆切前の朝、「完成したーー!!」という息子の声で目を覚ました私は、見事な出来栄えのロボットと対面。

(こ、これは・・もしかしたら行けるかも!?全国大会・・)

昨年は残念ながら予選落ちしたので、今年こそは!という強い気持ちがロボットに乗り移っていました。

そして、忘れもしない8月1日午前。悲願の全国大会への切符が届き、家族一同大喜び。

8月20日の大会へ向けて気持ちを切り替え、さっそくプレゼンの練習を開始しました。

大会まで導いてくださったロボット教室の金井進先生(生徒の力をぐいぐい引っぱり出して伸ばす凄い先生)のアドバイスをもとに、息子が考えたプレゼン内容を私が紙に書き出しました。

本番通りに話す姿を小6の姉がビデオ撮影し、本番で緊張しないようにと夫がいろんな質問を息子にぶつけ、何を突っ込まれても大丈夫だよ、と安心させていました。その数日間は自然と家族一丸でした。

 

そうはいっても、やはり緊張するのは当たり前で、大会前日と当日の朝、息子はほとんど食事を取れない状態でした。

会場は東大の安田講堂。二階までぐるりと観客席に取り巻かれた光景が、8歳の子供にどう映るのか。

大会前の会場で、束の間でしたが、同じように必死で予選を勝ち抜いて全国大会までやってきた“同志”たちと、和気あいあいと楽しそうに戯れていて・・ここで出会えて本当に良かったね、と声を掛けたくなる光景でした。

 

息子は5番目に出場しました。よほど緊張したのか、練習とは全く逆方向にロボットを配置していました。最初にボードを使ってロボットの仕組みを説明するのも忘れていて、見ている親の方はハラハラしたのですが、壇上の息子曰く、

「仕組みの説明するのを忘れた!と思ったけど、頭の中ですぐ(内容を)組み立て直してん。そしたら逆に冷静になれたよ。」

そのとおり、その後うまく説明を織り込んで対処していました。すごい。得難い経験になったはず。

他にもロボットを動かす直前にスイッチを床に落としてしまったり、、とハプニングは続きましたが、最後まで気を抜かずにプレゼンを終えることができました。

審査員であるアーティストの鈴木康広さんが、「まるで彫刻作品のよう」と言ってくださり、私は目からうろこでした。機能を突きつめた結果、形がそぎ落とされて美しく見えるのだなあと。

 

他の出場者の作品もどれもこれも見ごたえがあり、この大会はやっぱりすごいなあ、息子よここまで連れてきてくれてありがとう、、と感無量で迎えた審査結果発表。

各コースの優勝者発表、特別賞など様々な賞の発表の最後に、

「今年度のMVPは、ダダダダダ(太鼓の音)・・・ 大阪府狭山池前教室の、花園明良くんです!」

???!!!!!!!・・身体がじーんとしびれて、隣の夫に「泣かんでもええやん」と言われたことまで覚えています。

前を見ると、この世でいちばん嬉しそうな顔の息子が私たちの方を見つめていました。

憧れのロボットクリエイター・高橋智隆先生と現代アーティスト・鈴木康広さんの間に立たせてもらえて・・幸せ者め。

副賞に、高橋先生が開発されたロボホンという最先端ロボット型スマートフォンをいただきました。うちは夫婦ともにまだガラケーなので、突然の最先端電話の到来におろおろ・・・しばらくは家宝として奉ります。

          「高橋先生、らい年もここに来ます。」

来年に向けて、もう次のロボットを作り始めています。考えるのも作るのも楽しくて楽しくてやめられない。いいなあ。うらやましいなあ。

私も負けないようにがんばります。